
この記事のポイント!
- ベーシックな壁仕上げは「クロス」と「塗り壁」
- クロスは安価で機能付きも種類豊富
- 塗り壁の代表 ”塗装” は艶の有無や割合いも選択
- “漆喰・珪藻土” は昔から伝わる人に優しい仕上げ
以前、床の仕上げについてベーシック素材4選をご紹介しましたが読んでいただけましたか?
今回は床に続き、壁の仕上げをみていきたいと思います。
壁の仕上げは床よりも種類が多岐に渡るので、まずはベーシックな『クロスと塗り壁(塗装・漆喰/珪藻土)』を簡単にご説明します!
それぞれの特徴をみていきましょう!
目次
1. クロス
皆さんやお客様が壁の仕上げと言われて先ず思い浮かべるのが『クロス』かと思います。
まずはクロス全般の特徴を確認しましょう!
【○:メリット】
- デザインや防火・消臭・蓄光など機能付きが豊富
- 価格が安い
- 扱いが簡単で工期を抑えられる
- 布拭きが出来るので、日常の掃除がしやすい
【☓:デメリット】
- 引っ掻きや傷に弱い
- 水に弱く結露しやすい
- 部分的な張替えが難しい
クロスの種類って?
実はクロスと一言で言っても、素材によって大きく4つに分類されます。
種類 | 特徴 |
---|---|
ビニールクロス | 安い価格から選べ,種類や機能も豊富だが、アレルギー対策には向かない |
紙クロス | 環境や健康に優しく,吸音・通気性あるが、価格はやや高めで摩擦や水に弱い |
織物クロス | 通気性・調湿性に優れ,高級感があるが、価格は高めで埃が溜まりやすい |
その他 | ・木質系壁紙(銘木シート、コルクシート) ・無機質系(珪藻土壁紙、漆喰壁紙) |
《選定ポイント!》
- 初期費用を抑えたい方や汚れを気にする方向き。
- ペットや小さなお子様がいるお客様にオススメ。
- クロス自体が薄い場合(特に無地や淡い色)は、下地を拾い易い(下地の凹凸がクロスの表面に出てきやすい)のでお客様に予めアナウンスの上で選んでいただきましょう。
2.塗り壁: 塗装
次に塗り壁の代表『塗装』をみていきましょう!
ここでは内装で一般的な「水性塗料=塗装」として説明していきます。
AEP塗料=アクリルエマルジョンペイント(水性アクリル樹脂塗料)も水性塗料の一種です。
【○:メリット】
- クロスでは出せない質感や味のある表情
- 色が豊富で混ぜ合わせることが出来、自由度が高い
- 塗り替えや補修がしやすい
- 廃材が出ない為、環境に優しい
【☓:デメリット】
- 汚れが付きやすく、目立ちやすい
- 材料費や施工費がやや高く、工期が掛かる
- 下地を拾いやすい(下地処理が甘いと仕上げに影響が出る)
- 施工直後は臭いが残りやすい
《選定ポイント!》
- こだわりたい方やDIYに興味のある方にオススメ。
- 塗り替えを考えている方や将来的なメンテナンス費用を抑えたい方向き
- 同じ色でも艶有り⇆艶消しまで表情を選べる塗料の種類もあるので、サンプルを取るときは注意しましょう。
3.塗り壁:漆喰・珪藻土
前項では塗り壁の中でも主流の『塗装(水性塗料)』をみてきましたが、
塗り壁の一種でもある『自然塗料』も年々人気が出てきています。
自然塗料も様々ありますが、古くから使われ現代でも取り入れられている
「漆喰」と「珪藻土」に注目してみていきたいと思います!
まず、それぞれの特徴をみてみましょう!
種類 | 特徴 |
---|---|
漆喰 | ・主原料は消石灰で粘度が有り外壁に用いられることが多い ・耐久性が高い ・高度な施工技術が必要 ・ヒビ割れが生じることがある |
珪藻土 | ・珪藻プランクトンの堆積した粘土状の土 ・調湿効果が漆喰より高い ・PBやクロスの上から塗れる種類もあり、漆喰より扱い易い ・カビが生えることがある ・耐久性が低く、壁材がボロボロ落ちやすい |
共通する特徴は?
次に共通する特徴をみてみましょう!
【○:メリット】
- 防火性・防音性に優れ、調湿・消臭効果がある
- クロスの様な継目が無く、塗り方次第で様々な表情ができる
- 人や環境に優しい
【☓:デメリット】
- 費用が高いく工期がかかる
- 掃除がし難い
- 仕上がりが左官職人の腕に左右される
最近ではデメリットを補う工法や種類も開発されているので、現場や施工業者に相談してみるのも一つです。
さて、今回は壁仕上げの中でも『クロス』と『塗り壁(塗装・漆喰/珪藻土)』をみてみましたが、いかがでしたか?
クロスも塗り壁も本当に沢山の種類・メーカーがあるので、記載した内容に該当しないものもあるかも知れませんが、参考にしてみて下さい!次回は装飾的な壁仕上げをいくつかご紹介したいと思います。